<振り返り>「Oh! My!クラシック」~仲代達矢『85歳の自画像』~

4月30日(月・祝)に開催されたシリーズ「Oh!My!クラシック」を写真と映像で振り返ります。

日本を代表する名優、仲代達矢さんが音楽祭のステージに登場!!

割れんばかりの大きな拍手で迎えられた仲代さん。ステージに立つだけで、圧倒的な存在感です。

 音楽祭へご参加いただいた感謝の気持ちを込めて、徳永二男音楽監督のヴァイオリン演奏のプレゼントからスタートしました。(サン=サーンス/序曲とロンド・カプリツィオーソ)

このシリーズ「Oh!My!クラシック」では、ゲストにしか語れないとっておきのお話とともに、特別に思い入れのある音楽などを生演奏でお届けします。

いよいよ、米良美一さんが聞き手となり、仲代さんに話を伺っていきます。

仲代さんにとって、映画人生の転機となった『人間の条件』の思い出とともに演奏されたのは、ロシア民謡『カリンカ』(ヴァイオリン:正戸里佳、ピアノ:加藤昌則)

仲代さんは、当時のことを思いだし感激されていました。

続いて、仲代さんの好きな映画のお話から、『第三の男』のテーマ曲を演奏(ツィター:河野直人)

続いて、仲代さんが主役の苦沙弥(くしゃみ)先生を演じ、全篇バッハ小品で音楽を統一した映画『吾輩は猫である』の話から、J.S.バッハ『G線上のアリア』「エアー」が演奏されました。(ヴァイオリン:正戸里佳、ピアノ:加藤昌則)


そして突然、米良さんの「この写真をご覧ください!」で映し出されたのは…

なんと、仲代さんが昨年始球式をした時の写真です。

仲代さんのユニフォーム姿に、会場からは、思わずの驚きの声などさまざまなリアクションが!大のジャイアンツ好きという仲代さん。この写真をポストカードにされているようです。

映画『月光の夏』の話の場面では、仲代さんが演じる特攻隊員が、飛び立つ前に小学校を訪れ最後にピアノ弾く映像(写真)とともに、ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ「月光」第一楽章が演奏されました。(ピアノ:加藤昌則)

コンサートも終盤。

いまは亡き奥さまとの思い出やシャンソン歌手の弟さんとのエピソードなどを語ったあと、弟さんと共演したこともある大好きな曲『ミスター・ボージャングル』を、米良さんの歌声とともに披露していただくことに!

この曲の詞を手掛けたのは、奥様の宮崎恭子さん。

落ちぶれた役者を歌った曲で、仲代さんの熱のこもった朗読がはじまると、その世界観にぐっと引き込まれていきます。

染み入るような仲代さんの朗読と米良さんの歌声が、会場全体を魅了しました。

(歌:米良美一、ピアノ:加藤昌則、朗読:仲代達矢)


ラストは、仲代さんへの御礼にと、次代を担う若い二人から曲のプレゼント!

サラサーテのチゴイネルワイゼンを仲代さんに贈りました。

(ヴァイオリン:正戸里佳、ピアノ:加藤昌則)

聞き手の米良美一さんの軽快な進行も相まって、和やかな雰囲気の中、仲代さんの興味深いお話と生演奏が次々に披露され、楽しい公演となりました。



終演後、米良さんとも親交のある佐藤南紀さんに感想をお聞きしました。

「クラシックコンサートとは、あまり縁がないんですが、音楽とトーク両方楽しめるのはとてもいいですね。楽しかったです。大学時代に、仲代さんが出演されていた「炎上」という映画を観た時から、本当にすごい役者さんだと思っていたので、今回いろんなお話が聞けて嬉しかったです。勝新太郎さんとのエピソードなども、語れる人がどんどん少なくなっていると思うので、仲代さんの言葉で聞けたのはとても幸せですね。米良さんの歌と仲代さんの朗読(『ミスターボージャングル』)は感動しました。瞬時に、役者・仲代達矢の表情になって、演奏とともにその音楽の世界観を創りあげているのはさすがだなぁと思いました。こんなコンサートがあったらまた行きたいです」と、存分に楽しまれた様子でした、


最後に、仲代達矢さんから、素敵なメッセージをいただきましたので、
その貴重な映像をお楽しみください!

『ぷれぽ』

「プレビュー」&「レポート」 Text:文章、Photo:写真、Movie:動画で、宮崎国際音楽祭の魅力をお届けします。