<振り返り> 演奏会〔3〕『レジェンドの帰還~チョン・キョンファのブラームス』

5月6日開催した演奏会〔3〕『レジェンドの帰還 チョン・キョンファのブラームス』を、写真とお客様の感想で振り返ります。

世界のトップに君臨するヴァイオリン界の女王、チョン・キョンファ(韓国)が13年ぶりに音楽祭のステージに登場する演奏会〔3〕。チョン・キョンファさんが演奏するのは、第10回の音楽祭で観客を魅了した「ヴァイオリン協奏曲 ニ長調」です。

下の写真は、第10回音楽祭出演された時のもの。

本番前日に、劇場入りしたチョン・キョンファさん!さっそく、本番の会場となるアイザックスターンホールで、下野竜也さんの指揮のもと濃密なリハーサルが行われました。

会場に入ると、チョン・キョンファさんの奏でる情熱的なヴァイオリンと、オーケストラの気合いに満ちた熱量がそのまま客席にダイレクトに飛んできて、一瞬で「これはすごい演奏になる」と確信!

チョン・キョンファさんのリハーサルは、最初から最後までエネルギッシュです。 全身でオーケストラの音楽を受け止めると、思わず「エクセレント!」「ビューティフル!」とつぶやく場面も♪  チョン・キョンファさんのリハーサルが終わると、その圧巻の演奏に、オーケストラメンバーは足踏み、拍手で演奏を讃えていました!

劇場の広報誌『Crescendo』音楽祭特別号vol.3で、オーケストラメンバーの会田莉凡さん(ヴァイオリン)が、「情熱的で聴衆の心にダイレクトに語りかける演奏が昔から大好き」と、チョン・キョンファさんのことを語っていましたが、まさにそんな演奏をリハーサルから聴かせてくれました。


本番当日!

名実ともにアジアを代表するヴァイオリニスト、チョン・キョンファさん(韓国)の13年振りの音楽祭出演に、会場のボルテージは最高潮!!

今回のプログラムは、全てブラームス! 前半では、世界的若手指揮者・下野竜也さんのもと「大学祝典序曲」、「交響曲第4番 ホ短調 」をお届けし、アイザックスターンホールいっぱいに鳴り響く大迫力のオーケストラ・サウンドを存分にお楽しみいただきました。

そして、後半は、チョン・キョンファさんの真骨頂が堪能できる「ヴァイオリン協奏曲 ニ長調」! 

その全身全霊で音楽を奏でる迫真の演奏に、客席からは拍手が鳴りやまず、いつ終わるともしれないカーテンコールとなりました。そして、アンコールに選んだ曲は、J.S.バッハの「シャコンヌ」!

演奏前に、客席に向かって「シャコンヌ」について話すチョン・キョンファさん。

アンコールとして2つの選択肢があります。一つはバッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番ト短調の第1楽章、アダージョ。もうひとつはシャコンヌです。

ヨハネス・ブラームスはバッハの事を尊敬しており、バッハの音楽に影響を受けました。

そしてブラームスは『シャコンヌというこの小さな、たった1丁のヴァイオリンのための作品に、一体どうしたら人間の魂が持つ世界の全てをこのように表現する事ができたのだろうか』と語っています。

今皆さんはブラームスの交響曲第4番をお聴きになったところですが、ブラームスは同じ世界を表現するのに100名の演奏家を要しました。といってもブラームスは初期のピアノ・ソナタで既に彼の世界観を表現していますが。

今年は彼のヴァイオリン協奏曲が書かれてから149年、ほぼ150年の歳月が経ったことになります。私はこの年になって特にブラームスの音楽、そしてそこに描かれている彼の魂を深く愛するようになりました。彼のために、私がそれに値するかは判りませんが、シャコンヌを演奏したいと思います。何故ならブラームスはバッハのシャコンヌを愛していたからです。

鬼気迫る演奏で客席を魅了すると、興奮と感動に満ちた会場からは、再び熱烈な拍手が沸き起こりました。

終演後には、「素晴らしい演奏だった」「キレッキレだったね」「感動して涙が出たわ」「またキョンファさんを呼んでほしい」など、ホールを出ても興奮がおさまらず、スタッフに感想を伝えてくださるお客様も!笑顔で劇場を後にされるお客様の姿に、私達スタッフもとても嬉しくなりました。


今回のお客様インタビューは、チョン・キョンファさんのサイン会に並ばれていた、佐藤至さんです。

佐藤さんは、名古屋市から宮崎に帰省中で、音楽祭は初来場だそうです!

「6年前ぐらいから、クラシック音楽が好きになり、最近ではヴァイオリンも始めました。キョンファさんの演奏は、若い頃の映像やCDで聴いていて、その情熱的でロマンあふれる演奏がとても好きです。今回、生で演奏を聴けたのは本当に嬉しく感動しました。下野さんの躍動感のある指揮も良かったですし、協奏曲の第3楽章のオーケストラとヴァイオリンの掛け合いを、楽しそうに演奏されていて良かったです」と、嬉しそうに話されました。写真は、チョン・キョンファさんのサインとともに♪

===============================

♪♪お客様のアンケートから、感想を一部紹介!♪♪

・もう一度、どうしても聴きたかった、チョン・キョンファさんのヴァイオリン。今回もやはり涙が流れました。魂をゆさぶられるほどの演奏でした。(宮崎市・40代女性)

・指揮・演奏者が一体となってとても深みのある力演で感動しました。こんなステージにはなかなか出会えないと思います。涙が出ました。(小林市・60代女性)

・一瞬たりとも目を離したらもったいないぞ!!と前のめりで聴いてしまいました。パワフルでありながらデリケートな音で、手に汗にぎる感動です。(宮崎市・40代女性)


『ぷれぽ』

「プレビュー」&「レポート」 Text:文章、Photo:写真、Movie:動画で、宮崎国際音楽祭の魅力をお届けします。