<振り返り>新星たちのコンサート

5月12日(土)、“新星たちのコンサート”が演劇ホールにて開催されました。全国各地から音楽の道を志す若い音楽家達が集まった、“第11回ミュージック・アカデミー in みやざき2018”において、優秀な成績を修めた受講生6名が出演しました。

次代を担う新星のコンサートを一目見ようと、多くの方にお越しいただきました!

まず最初に、音楽監督である徳永二男さんから、“ミュージック・アカデミー in みやざき”やこれから演奏する受講生の皆さんについて、お話がありました。

「これから世界で活躍していく人たちの、素晴らしい演奏を最後までごゆっくりお聴き下さい」

まず一曲目は、堀内星良さん(ヴァイオリン)によるJ.S.バッハ “無伴奏ヴァイオリン・パルティータ 第3番 ホ長調 BWV1006”。先日のインタビューで、堀内さんは

「(演奏する曲は)自分の持ち曲として、長い間練習してきました。バッハの曲の中ではフランス的な要素がある、一番好きな曲です。踊りの曲なので、一つ一つ特徴を変えて弾けるよう練習に取り組んでいます。音楽祭の演奏会に出演するのは初めてなので、とても楽しみですし、頑張って演奏したいと思います。出演される他の受講生の方々も素晴らしい奏者なので、ぜひフレッシュな演奏を聴いていただけたらと思います。」

とお話しいただきました。多数の国内コンクールにおいて、1位、上位入賞の実績がある堀内さんの演奏を、お楽しみいただきました。

2曲目は、戸澤采紀さん(ヴァイオリン)によるショーソン “詩曲 Op.25”。国内コンクールだけでなく、国際的なコンクールにおいても上位入賞の実績を持ちながらも、まだ高校3年生の戸澤さん。小森谷裕子さん(ピアノ)の伴奏で、伸びやかで神秘的な序奏から情熱的なクライマックスへと辿り着く一曲をお楽しみいただきました。

3曲目は、荒井里桜さんに(ヴァイオリン)によるイザイ “無伴奏ヴァイオリン・ソナタ ホ短調 Op.27,No.4 第1楽章,第3楽章”。国内外のコンクールで活躍するほか、ソロリサイタルやNHK-FM「リサイタル・ノヴァ」に出演の経験がある荒井さん。その彼女が演奏する、音楽的にも技巧的にも非常に高度な楽曲、イザイのヴァイオリン音楽の集大成ともいえる作品をお送りしました。

4曲目は、内尾文香さん(ヴァイオリン)によるショスタコーヴィチ “ヴァイオリン協奏曲 第1番 イ短調 Op.77 第3楽章,第4楽章”。国内外の音楽祭に出演するほか、様々な管弦楽団と共演し、またNHK-FM「リサイタル・ノヴァ」やBSジャパン「エンター・ザ・ミュージック」に出演するなど、幅広く活躍している大学4年生の内尾さん。ショスタコーヴィチの傑作の一つと言われ、数あるヴァイオリン協奏曲の中でも難易度が高いとされる一曲を、小森谷裕子さんの伴奏とともにお送りしました。

5曲目は、重森光太郎さん(ピアノ)によるショパン “バラード 第4番 ヘ短調 Op.52”。重森さんは、国内の様々なコンクールに入賞の実績を持ち、現在は桐朋学園大学音楽学部にキャンパス特待生として在学する大学1年生。演奏曲は、ショパンの作曲技法が尽くされ、演奏困難であるとともに傑作の一つとされる作品。

最後は、五十嵐薫子さん(ピアノ)によるリスト “ため息”、ビゼー/ホロヴィッツ “カルメン幻想曲”の2曲。先日のインタビューで、

「選んだ曲は、とても華やかな曲です。3月のアカデミー最後のコンサートでも、同じ曲を演奏しましたが、もう一回弾きたくて選曲しました。アカデミーのコンサートも、新星たちのコンサートも、ファンが多く、皆さんいつも温かく聴いて下さっていたので、今年も自分の成長や勉強したことを、演奏を通じてお伝えできればいいなと思います。音楽祭の最後に近いコンサートですので、お祭りらしい華やかな曲を楽しんでください。」

とお答えいただいた五十嵐さん。“新星たちのコンサート”を締めくくる、まさに“お祭りらしい華やかな曲”をお楽しみいただきました。



最後に、お客様の感想をご紹介!

若い方の躍動を肌に感じ、元気になりました。
若い人の演奏は生き生きしていて、とても上手で良かった。これからも頑張って欲しい。
プロの方とはまた違った新鮮さがありました。
短い時間でしたが、若きピアニスト・ヴァイオリニストの演奏を楽しませていただきました。
世界に羽ばたこうとしている新星の方々をこの機会に間近に見ることができ、感動しました。
新星たちのコンサートは初めてでしたが、とても良かったです。今後の活躍を期待したいです。

『ぷれぽ』

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