<振り返り>「子どものための音楽会」

宮崎国際音楽祭では、宮崎県内の小学6年生を招待して「子どものための音楽会」というプログラムを設けています。今年も、午前・午後の部あわせて約3000人の子どもたちにご来場いただきました。

この「子どものための音楽会」を提案したのは、音楽祭の父ともいえる故アイザック・スターン氏。「子どもが一流の音楽に触れることは、その後の人生を導く力となる」の信念のもと、第1回の音楽祭から続けています。

↓↓↓は、第1回の「子どものための音楽会」の様子

今年のプログラムは、まずパイプオルガンの紹介から♪ 1台でフルートやトランペット、篠笛など、さまざまな音色を聴いてもらいました。

コンサートは、お話や楽器紹介をはさみながら、オーケストラの演奏を聴いてもらう1時間のプログラム! 司会・進行の伊豆謡子さんは、明るく元気な声とおしゃべりで、子どもたちがより音楽を受け入れやすいように、リラックスした雰囲気を作ります。

演奏された最初の曲は、グリンカの歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲。約6分と短い曲ですが、子どもたちにもオーケストラの華やかさを感じてもらえたのではないでしょうか。

そして、指揮を務める、音楽監督の徳永二男さんがオーケストラの楽器を紹介♪ 弦楽器、木管楽器、金管楽器、打楽器のそれぞれの音色をワンフレーズずつ演奏しながら紹介しました。

そして、いよいよプログラムのメインの曲は、ベートーヴェンの誰もが知る有名な「交響曲 第5番 ハ短調 作品67『運命』」! まず第1楽章を聴く前に、曲中に登場する「ダダダダーン」という4つの音のフレーズが、曲の最初の部分だけで何回出てくるかカウントに挑戦する場面もあり、子どもたちも楽しそうに数えていました。第一楽章が終わると、大きなスクリーンを使いながら、伊豆さんの解説トーク♪ 交響曲やベートーヴェンの音楽について理解を深め、第3・4楽章は、ベートーヴェンの人生に思いを巡らせながら聴いてもらいました。

そして最後は、今回が初の試みとなる「みんなで歌おう」! オーケストラの演奏にあわせて、嵐の「ふるさと」を全員で大合唱し、盛り上がったまま無事終演。

「この音楽会をきっかけに、音楽を好きになってもらいたい」「また劇場に来て楽しんでほしい」。そんな思いがこもったプログラムでした。


子どもたちの感想が聞きたくなり、帰り際に古城小学校の児童5名に声を掛けました。

劇場に初めて来た子は、「パイプオルガンが大きくてびっくりした!」と、まず巨大なパイプオルガンに驚いた様子。コンサートについて聞くと「ベートーヴェンが良かった」「生演奏は迫力があってすごかった」「ヴァイオリンの高い音がきれいだった」「ティンパニの音が好き」など、さまざまな感想が聞けました。最後の合唱も、ホール中に歌声が響いて気持ちよく歌えたようです。引率の先生は、「なかなか生の演奏を聴く機会がないので、とても貴重な体験をしたと思います。子どもたちが、こういう立派な施設があることを知れたのも良かったです」と話してくださいました。


未来を担う子どもたちが音楽会で何を感じてくれたのか、今年も、子どもたちが送ってくれる感想文が楽しみです。

『ぷれぽ』

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